2026年5月12日火曜日

 


YILハイパーブックレット - ヴェテリナリ サージカル ギャラリーの「犬の肺葉切除:左後葉」をお買い上げいただきまして、誠にありがとうございます。ここは本書巻末のQRコードから閲覧できる専用ページです。

本書は臨床現場や学術機関、研究所など、獣医療の現場で使えるよう、画像を中心に手術の情報をまとめた小冊子です。

本書で書ききれなかったことや修正したいこと、新たな画像や動画など、紙媒体では表現できなかったことなどをここに追記させていただきます。


ISBN取得

2020年からYIL出版は出版者登録され、ISBNを取得しました。

本書のISBNは

ISBN978-4-910237-21-3 

となります。


撮影
ボディ
レンズ
NIKKOR Z 24-120mm f/4 S
ストロボ
SB-5000
Nikon Z9
撮影者
山内 昭


YILハイパーブックレットについて

YILでは、古くから(KindleやHontoなどができるずっと前)YIL電子出版と称して出版社が作らない(発行部数が少なくて作れない)超マニアックな内容のPDFデータを製作・販売していました。たとえ数冊しか出なくても、それを有用であると思ってくれる読者がいる限り作っていました。電子ブックは紙の本と違い、データを提供するだけなので、売れなくてもリスクが少ない点がメリットです。最低でも数千部単位で印刷しなければならない一般書にはできないことです。

1990年代、コンピュータが普及し、世の中のものが急速に電子化されつつある時代です。その後、街中の書店がどんどんなくなって行きました。

しかし、そうなってくると人間は身勝手なもので、紙の本が恋しくなってきました。アマノジャクのようですが、旧人類の自分は、「やっぱりこれからは紙だな」と思いはじめることになります。

今まで出した本の経験から、活字マニア以外の多くの人は、写真や図とそのキャプションしか読んでいないということが分かっています。イグアナの飼育書を出しても、読者からは「本を読んだのですが、イグアナって何食べるんですか」という質問が多くて愕然としました。文章で書いても読んでくれないのです。

ならば、いっそのこと、写真とキャプションだけの本を作ればよいのか、と悟りました。

かくして、YILハイパーブックレットが誕生しました。

また、昨今のスマホ文化とも融合し、巻末のQRコードでインターネット上のページを見ることができ、追加情報や補足説明を見ることができるようになっています。場合によっては音声や動画情報を提供することも可能です。でもやっぱり元の媒体は「紙」にこだわりました。そんなコンセプトでYILハイパーブックレットを作り始め、飼育書や獣医学書、解剖写真集などの製作をはじめていました。


シリーズ

中島先生(通常ナカジ)とは20年来の付き合いですが、手術屋としてこだわりをもっている彼ですから、手術の場面を写真集として出さないか、と提案したところ、この Veterinary Surgical Gallery の企画が誕生しました。

手術の手技は、文章では表現できないことも多く、写真+キャプションというコンセプトはまさにぴったりだったようです。動画でしか表現できないものもありますが、気軽に見れないことと、細部をじっくり見たい場合は静止画の方が良い場合も多いのです。

術前に何度も見て、シミュレーションを行うためのツールとして役立てていただければ幸いです。


撮影のこだわり

「手術写真はどうやって撮っているの」とよく聞かれます。皆さん、無影灯下でうまく写真が撮れなくて困っていらっしゃるようです。はやり、スマホやコンパクトカメラでは限界があるのでしょう。

自分は医療カメラマンとして仕事をさせていただいているので、かつては一眼レフカメラ、現在はミラーレスカメラを使用し、こだわりをもって撮影しています。医療画像として気を付けている点はいくつかあります。

色再現

人間は血の色に敏感です。鮮紅色のバラが一番売れるそうですが、人間は血の色が大好きなのだと思います。そのため、血の色がちょっとでもオレンジがかって写ったり、紫がかって写っただけですごく違和感を感じます。肝臓の色、腎臓の色、消化管の色、筋肉の色なども、すべて元は血の色からできていますが、同じ赤ではなく、微妙にその臓器独特の色を持っています。術創はいつも大変カラフルで、微妙な色のせめぎあいで、大変美しいものです。それらはすべて人が覚えている記憶色なので、ちょっとでも違う色に表現されると気持ち悪いばかりでなく、病巣に見えてしまったり、病態ととらえられてしまったりと、間違った情報を与えてしまうことになります。

臓器の色を忠実に再現させること。それが医療カメラマンとしてのこだわりであり、使命です。

そのため、術前には撮影予定の手術室の無影灯下で入念にホワイトバランス調整を行います。


マクロ

手術撮影は術創のアップを撮ることが多いのですが、消毒をしていないカメラを術創に近づけるわけにはいきません。そのため、遠くから拡大撮影が可能な望遠マクロ系のレンズが必要です。

一眼レフ時代は、20年以上も前に作られたNikonの名玉と言われている AF Zoom-Micro Nikkor ED 70-180mm F4.5-5.6D というレンズを使用していました。現在のミラーレスにもアダプターを介して使えなくはないのですが、オートフォーカスができないため、マニュアルフォーカスとなり、速射性が失われてしまいました。

それに相当するミラーレス用レンズがまだないため、最近は比較的撮影倍率が大きいNIKKOR Z 24-120mm f/4 Sを使用しています。


被写界深度

芸術写真と異なり、前ボケを入れたり、背景ボケは手術写真には必要ありません。それよりも、可能な限り写っている範囲のピントが合っていることが求められます。そのため、かなり絞り込んで撮影します。必然的に暗くなりますので、ストロボを使用しての撮影となります。


ストロボ

術創は深いことが多く、カメラのホットシューなどにストロボを設置すると影が大きく出るようになり、術創の深部まで光が到達しません。それを回避するために、ブラケットでストロボをレンズの側近に配し、同軸照明にできるだけ近い位置で発光させています。


  YILハイパーブックレット - ヴェテリナリ サージカル ギャラリーの「犬の肺葉切除:左後葉」をお買い上げいただきまして、誠にありがとうございます。ここは本書巻末のQRコードから閲覧できる専用ページです。 本書は臨床現場や学術機関、研究所など、獣医療の現場で使えるよう、画像を...